「助産院」で産む②

出産
Group of cranescommon crane

 前回は、どうして「助産院」で産むことにしたのか、という記事。

 今回は、どのように「助産院」を決めたのか。そして、助産院で検診をして思ったことについて記録していきたい。

信頼できる助産師さん

 ずっと妻がお世話になっている助産師さんがいる。だれかというと「あいこさん(渡邉 安衣子さん)」。

 妻が仕事の相談をしたり、子ども(家庭)の性教育について教えてくれている助産師さん。娘たちともオンラインの学習会でおしゃべりしてもらっていた。妻が出産で悲しい思いをしたときにもお話を聞いてもらっていた。

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助産師あいこさんち
性教育活動をしている京都の助産師あいこさんのHPです。

 今回妊娠してどこで出産しようか相談したときに、選択肢の一つとして、あいこさんが所属している助産院を紹介してもらい、最終的に「海(まある)助産院」にお世話になることになった。

ワイワイ
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妊娠検査薬で妊娠が分かって、その後数回は近くの産婦人科に通っていたよ。
(決めるまでは同時進行。決まって初めて紹介状を書いてもらう。)

 だから、自分たちだけだったらそのまま病院で産むという答えにたどり着くことが自然だったと思う。「助産院」で産むという選択肢は、自分で情報をとりにいかないと出てこない気がする。あいこさんとのご縁が今回の選択につながったといえる。

ワイワイ
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病院やクリニックで産む人が99%らしい。ということは…助産院で産んだという情報は少ないし、不安だらけ。少しでもこの記事が選択肢を増やすお手伝いになればいいな、という想いで書いている部分も実はある。

初めて助産院へ

 「出張さんばステーション聖護院 海(まある)助産院」

海(まある)助産所
出張さんばステーション聖護院 海(まある)助産所助産師 宮川 友美(みやがわ ともみ)日本助産師会・京都府助産師会 会員理念「出張」お泊り・お産ができる助産院の機能を持ちながらも、貴方の「ホーム」で「当たり前のリラックス状態」でお産・ケアも

 ここの代表の宮川さんとお話をさせてもらいに家族で伺う。子どもたちに別のところで遊んでいてもらっているうちにお話をする。

 見た目は一軒家。中にはいくつか部屋がある。海助産院では、何人かの助産師さんが所属していて、妊婦さんやお母さん、子どもの世話をしてくれる。すごい温かい雰囲気。内装も自然な感じでぬくもり、清潔感を感じる。

ワイワイ
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この建物はクラウドファンディングも活用して建てられたんだって!階段のところには、協力してくれた人の名前のかかれたモニュメントが飾られている。(おかげさまで、と感謝しています!!!)

 玄関には、たくさんのイベントのお知らせが掲示されている。その隣には、助産院に関わっているスタッフの方の写真が。こんなにたくさんの方が関わっているんだ、と思った。

 お話を聞かせてもらった時には、助産院にお世話になった人のコメントがたくさん書かれていた。また、写真集(アルバム)も見せてもらった。お産の様子がリアルに、「これを見せて大丈夫なの?」と思うくらい生々しく記録されている。僕はその写真集を見て、性的なものを感じることはなかったし、ひくこともなかった。自分の経験してきた出産の様子とは違ったから、どこか別のモノなんだなぁって感じた。

 玄関の掲示板のところには、マグネットが置かれていて、それでポテトを作られていた。家族の付き添いできた子どもが作ったと教えてもらった。助産院にはたくさんの人が通っていることが分かって、何だか温かい気持ちになった。

ワイワイ
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病院でも同じようなことはあるけど、どこか事務的な印象。たくさんの人が受付をしてロビーで待っているイメージ(コロナ前だけど)。キッズスペースもあるけど、何か雰囲気が違う。建物の作りのせいかも?いや、それだけじゃない気がする。

 一通り説明をしてもらったり、妻とどんなお産にしたいかのやり取りをしたりしている。そんなことを思っていたのか、と初めて聞くようなこともあった。

 宮川さんから「お父さんから何かありますか。」と尋ねられる。

 僕は「母子ともに無事に出産を終えることが一番。妻は立ち合いを希望しているけど、必要があれば病院に行くことも大丈夫です。その判断はお任せします。」と伝えた。

 「分かりました。」と答えて、したいことも尋ねてくれた。そして、僕が出産に前向きなことを感じ取ってくれて「できることは全部したらどう?」と言ってくれた。

 例えば、へその緒を切る、赤ちゃんを受け取る、へその緒の動きを触って感じる(へその緒は体外に出てすぐは動いているんだって!)など。少しワクワクしたものの、まだこのときは「へぇ、そんなこともできるんだ!」くらいの漠然としたものだった。

 今回、助産院へ初めて行き、「理想の出産」についてのやり取りを聞いて、妻がこれまでの出産をどのように捉えているかを初めて知った。そして、助産院では、妊婦やその家族が楽しく、気持ちよく出産に向かえるように、力を貸してくれるということが分かった。病院でもマタニティプランは立てていたけど何かが違った気がする。

 きっと対応する患者さんの数の違いかな。圧倒的に今回のお産の方が大事にされている感じがしている。エンパワーされた。それは僕の感想なだけかもしれない。今、僕は「魔法のリノベ」というドラマを見ているのだけど、リノベーション会社の人が男の人にだけ名刺を渡して、後で指導を受けるという場面があった。出産の場合はそれと逆で、女の人にだけ名刺を渡している感じ。思いっきり外野な感じがしていた。(あくまでも、僕の経験では。ひょっとしたら僕自身の価値観の変化によるものかも?とおもったりもする。)

 結婚式をイメージしてほしい。ホテルウェディングだと、次々にチャペルにカップルがやってくることもあるだろう。移動の時に他のカップルと鉢合わせしたりするかもしれない。ゲストも。でも、ゲストハウスウェディングならそんなことはあり得ない。自分たちのことだけをしっかりと考えられる。「自分たちだけの結婚式」と感じやすい。ホテルウェディングは病院で、ゲストハウスウェディングが助産院。結婚式を挙げようと考えていたり、いくつかの結婚式に参加した人ならイメージしやすいと思う。

ワイワイ
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「出産」についての想いを共有することができたことは大きいね。二人だけで話すよりも、助産師さんに間に入ってもらって話すことで、よりお互いの考えを知ることができた。一番の収穫かも。

助産院で検診をして思ったこと

検診でエコー写真が見られない、もらえない助産院によるだろうから、要確認!

 病院では、検診のときに3Dエコーや4Dエコーで診てもらったり、それを見せてもらったりする。それをプリントアウトしたものをもらえたり、データをもらったりすることもある。写真でなく動画をもらえるところもある。

 エコー写真がないことで、赤ちゃんの姿を確認できる機会がこれまでと比べて減ったので、少し心配になることもあるようだった。単純に見れなくて寂しいというだけかもしれないけど。これまでの当たり前がなくなったことに戸惑っているというところもあるかもしれない。

ワイワイ
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そこは、僕は別に気にならなかったんだけど、妻は嘆いていた。4Dエコーの写真を見ても、粘土みたいなのが写っているだけで、結局よく分からないと思うんだけどなぁ。

 病院では、妻一人しか検診の場所に入れない。新型コロナウィルスの第7波が来ていたこともあるだろう。1度娘を連れて行くと、診察室には入れてもらえず、1人で待っていたらしい。エコー写真が見られると楽しみにしていただけに残念だったようだ。

 一方、助産院は歓迎してくれる。たくさん話を聞いてもらって、とても嬉しそう。「小さな助産師さん。」と言って、いろいろな手伝いもさせてくれた。助産院へ行くことを楽しみにしている。この違いは、我が家にとっては大きな差だ。

 「3D(4D)エコー」と「娘の笑顔」。エコー写真はなかったけど、僕は「娘の笑顔」がたくさん見られたし、娘はお母さんの様子をそばで見られたし、それでよかったなぁ、と思っている。(そりゃエコー写真もあった方がいいけどね。)

病院と連携するということ

 助産院の検診がメインだけど、連携している病院にも検診に行く。そこでは、エコー写真を撮ってもらえた。様々な検査もしてもらう。後日に結果が届くという検査もある。その検査の結果がなかなか届かない、ということがあった。

 これまでだったら、窓口は「病院」だけだった。(うちは産婦人科のクリニックだったから。総合病院だとまた感じ方が違うのかもしれない。)しかし、今回は「助産院→病院」となっている。この前に1度検査が忘れられるということがあったので、「今回は大丈夫なのか?」「なぜ結果が返ってこないんだ?」と不安に思ってしまった。

 助産師さんは「連絡が来ないということは大丈夫だと思って待ちましょう。休み明けに連絡しますから。」と言ってくれたが、妻は、結果が来ないことで見通しが持てないから、段取りが立てられないことに焦っていた。もどかしかったようだ。

ワイワイ
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2つ目の話は、病院の手違いがすでに1回あったことが不信感につながってのことだから、助産院がどうこうの話じゃないけど、エピソードとして紹介。

どのような出産にしたいのか

 家族みんなのお産にする。これが今回、僕たちにとって1番の大事なことだった。

 今回、この記事を書くにあたり、病院の出産と助産院について調べてみた。自分の経験では上記のように感じたけれど、病院によっては助産院で産むのと同じように産める病院(産む場所の選択やケア、妊婦さんの想いを尊重するという意味で。)もあるようだ。

 助産院で産むという決断をし、助産師さんと家族でしっかり話す機会をもつことで、妻の出産への想いを共有したり、どのような出産を迎えたいかが分かったりした。

 つまり、僕が言いたいことは、「助産院で産むことがいい!」ということでなく、「どのような出産を望んでいるかをパートナーと話し合うことって大事」ってことなのかも。そして、「信頼できる助産師さんと出会えると、楽しくお産ができるんだ!」ってことも併せて伝えたい。

 出産は、結婚式と同じように、一生に数回あるかないかの機会。どちらにもメリット・デメリットがあるだろうから、多くの人が選択肢を知り、その上で選んで、満足のできる出産ができますように!

ワイワイ
ワイワイ

じゃあ、我が家はどんな出産になったか。もう少し続きます!

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